2012年8月6日月曜日

区分法3 区分法の本質

今日は、少し話は固くなりますが、
区分法の本質について考えます。
一言でいうと、民法の修正法ということになりますが、
これでは、具体的なことがさっぱり?ですね。

つっこみます。

民法では、共有持分を含め、
「所有権絶対の原則」があります。
もちろん、
公共の福祉(憲法29条1項)、
権利の濫用(民法1条1項)、
法令(民法206条)等による
制限はあるものの、
基本的には、
使用・収益・処分は自由です。
これは、共有持分であっても同じです。

では、
マンションにおいて共有状態になっている、
共用部分や敷地の共有持分を、
自由に処分されると困ることはないですか?
そうですね。
エントランスの共有持分だけ所有している
といった変なことが生じますね。
だから、
区分法では、
民法の所有権絶対を修正して、
◎共用部分や敷地の共有持分は、
分割請求したり、
専有部分と切り離して処分することを、
原則禁止しています。

では、では、
共有物の変更行為を考えてください。
民法のように全員の同意が必要となると、
エントランスのちょっとした変更、
建て替えもそうです
困らないですか?
何百人の人の同意など事実上不可能ですよね。
だから、区分法では、
◎軽微変更は、区分所有者及び議決権の各過半数、
◎重大変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上
建替は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上
の多数決を採用しています。

本質は、
所有権絶対原則の修正と、
多数決主義の採用ですね。
所有権絶対原則の修正は、
まだ、続きがありますが、
それはまた次回。

とっととと、
今日は、最後になりました。
過去問から、

①大規模修繕工事は、管理組合にとって必須の業務であるので、その実施には、必ず区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要である。(マ02-38-2)


①×

軽微変更と重大変更の要件は、上記のとおりですが、
どこまでが軽微か、どこからが重大かの基準は、
規模や費用ではありません。
大規模修繕工事は、一般に規模・費用とも大ですが、
重大変更とはいいきれません。
むしろ、軽微変更であることの方が多いでしょう。
区分所有法は、軽微と重大の基準を、

◎軽微変更=形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更
◎重大変更=共用部分の変更(形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)

としています。
すなわち、形・効用が著しく変わるかどうかで判断しています。
少しわかりづらい表現ですが、
試験でこのままの表現で出題されることがあります。
慣れましょうヽ(´ー`)ノ

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